第72回(2026) 臨床検査技師国家試験 午前51〜100|ケンゼミ過去問ドリル テキスト版
第72回 午前51(病理組織細胞学)
糖尿病で正しいのはどれか。
- ①解糖系が促進する。
- ②糖新生は抑制される。
- ③早期から尿量が減少する。
- ④ケトン体の産生が亢進する。
- ⑤2型糖尿病は膵島β細胞の破壊に起因する。
正答: ④ケトン体の産生が亢進する。
ポイント
インスリン作用不足では細胞へのブドウ糖取り込みと解糖が低下し、肝の糖新生とグリコゲン分解が亢進して高血糖となる。エネルギー源として脂肪分解が進み、生じた遊離脂肪酸から肝でケトン体(アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸)が産生され、糖尿病性ケトアシドーシスをきたす。高血糖による浸透圧利尿で尿量は増加(多尿)する。
●1型糖尿病=膵島β細胞の自己免疫的破壊・インスリン絶対的欠乏・ケトアシドーシスをきたしやすい。
●2型糖尿病=インスリン抵抗性+分泌低下・中高年肥満に多い。
●急性合併症=糖尿病性ケトアシドーシス・高浸透圧高血糖状態。
●慢性合併症=網膜症・腎症・神経障害(三大合併症)・動脈硬化。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。インスリン不足で細胞内へのブドウ糖取り込みが低下し、解糖系はむしろ抑制される。
- ② 誤り。糖新生は亢進し高血糖を助長する。
- ③ 誤り。高血糖による浸透圧利尿で尿量は増加(多尿)する。
- ④ 正しい。脂肪分解亢進で生じた脂肪酸から肝のケトン体産生が亢進する。
- ⑤ 誤り。膵島β細胞の自己免疫的破壊によるのは1型糖尿病。2型はインスリン抵抗性と分泌低下による。
第72回 午前52(病理組織細胞学)
潰瘍性大腸炎で正しいのはどれか。
- ①回盲部に多い。
- ②胃がんの合併が多い。
- ③陰部潰瘍を合併する。
- ④高齢者での発症が多い。
- ⑤組織学的には陰窩膿瘍を特徴とする。
正答: ⑤組織学的には陰窩膿瘍を特徴とする。
ポイント
潰瘍性大腸炎は直腸から連続性に口側へ広がり大腸粘膜を主に侵す炎症性腸疾患で、組織学的に陰窩(crypt)内に好中球が集簇する陰窩膿瘍を特徴とする。回盲部主体・全層性・縦走潰瘍・敷石状外観・非乾酪性肉芽腫はクローン病の所見。長期罹患で大腸癌のリスクが上昇する。
●潰瘍性大腸炎=直腸からの連続性病変・粘膜〜粘膜下層の炎症・陰窩膿瘍・大腸癌合併。
●クローン病=口腔から肛門までの非連続性(skip lesion)・全層性炎症・縦走潰瘍・非乾酪性類上皮細胞肉芽腫。
●陰部潰瘍を伴う疾患=Behçet病。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。直腸から連続性に広がる。回盲部主体はクローン病。
- ② 誤り。長期罹患で合併が増えるのは大腸癌であり、胃癌ではない。
- ③ 誤り。口腔内・陰部潰瘍を合併するのはBehçet病。
- ④ 誤り。若年〜中年に好発する。
- ⑤ 正しい。陰窩に好中球が集簇する陰窩膿瘍を特徴とする。
第72回 午前53(病理組織細胞学)
ピクリン酸を含む固定液はどれか。
- ①ブアン液
- ②カルノア液
- ③20%ホルマリン
- ④2%オスミウム酸液
- ⑤Periodate-lysine-paraformaldehyde〈PLP〉液
正答: ①ブアン液
ポイント
ブアン(Bouin)液はピクリン酸・ホルマリン・酢酸の混合固定液で、ピクリン酸が組織を黄染し結合組織染色や微細構造の保存に適する。各固定液はその組成で区別される。
●ピクリン酸含有=ブアン液(ピクリン酸・ホルマリン・酢酸)。
●アルコール系=カルノア液(エタノール・クロロホルム・酢酸)・メタノール。
●アルデヒド系=ホルマリン・グルタルアルデヒド・PLP液。
●重金属系=オスミウム酸(電顕用)・昇汞(Zenker液など)。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。ピクリン酸・ホルマリン・酢酸からなる混合固定液で、結合組織染色などに用いる。
- ② 誤り。エタノール・クロロホルム・酢酸の混合液で、ピクリン酸は含まない。
- ③ 誤り。ホルムアルデヒド水溶液で、ピクリン酸は含まない。
- ④ 誤り。脂質や電子顕微鏡用の固定液で、ピクリン酸は含まない。
- ⑤ 誤り。過ヨウ素酸・リジン・パラホルムアルデヒドからなる固定液で、ピクリン酸は含まない。
第72回 午前54(病理組織細胞学)
心筋の特殊染色標本を別に示す。染色法はどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA054.9274821856.jpg

- ①azan染色
- ②PTAH染色
- ③Berlin blue染色
- ④Victoria blue染色
- ⑤Klüver-Barrera染色
正答: ②PTAH染色
ポイント
PTAH(リンタングステン酸ヘマトキシリン)染色は筋線維・横紋・グリア線維・フィブリンを青藍色に、その他の組織を赤褐色に染め分ける特殊染色で、心筋の横紋やフィブリン血栓の観察に用いる。心筋標本で横紋が青藍色に描出されることから本染色と判定する。
●結合組織(膠原線維)=azan染色・Masson trichrome染色。
●筋線維・横紋・フィブリン=PTAH染色。
●鉄(ヘモジデリン)=Berlin blue(Prussian blue)染色。
●弾性線維・HBs抗原=Victoria blue・elastica染色。
●中枢神経髄鞘=Klüver-Barrera染色。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。膠原線維を青・筋や細胞質を赤に染める結合組織染色で、心筋横紋の特染ではない。
- ② 正しい。筋線維・横紋を青藍色に染める染色で、心筋の観察に用いる。
- ③ 誤り。三価鉄(ヘモジデリン)を青染する鉄染色。
- ④ 誤り。弾性線維やHBs抗原などを青染する染色。
- ⑤ 誤り。中枢神経の髄鞘(青)と神経細胞を染める染色。
第72回 午前55(病理組織細胞学)
炎症性肉芽組織に出現しない細胞はどれか。
- ①好中球
- ②リンパ球
- ③線維芽細胞
- ④平滑筋細胞
- ⑤血管内皮細胞
正答: ④平滑筋細胞
ポイント
肉芽組織は組織修復過程で形成され、新生毛細血管(血管内皮細胞)・線維芽細胞・炎症細胞(好中球・リンパ球・マクロファージ・形質細胞)から構成される。線維芽細胞は膠原線維を産生し、創傷収縮を担う筋線維芽細胞へ分化することはあるが、成熟した平滑筋細胞は肉芽組織の構成成分ではない。
●肉芽組織の構成=新生毛細血管・線維芽細胞(筋線維芽細胞)・炎症細胞・基質。
●急性炎症の細胞=好中球が主体。
●慢性炎症の細胞=リンパ球・形質細胞・マクロファージ。
●創傷治癒の過程=凝固→炎症→肉芽形成(増殖)→瘢痕(成熟)。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。急性炎症で遊走し肉芽組織にみられる。
- ② 誤り。炎症細胞として肉芽組織に出現する。
- ③ 誤り。膠原線維を産生する肉芽組織の主要構成細胞。
- ④ 正しい。血管壁などに存在するが、炎症性肉芽組織の構成成分ではない。
- ⑤ 誤り。新生毛細血管を構成し肉芽組織にみられる。
第72回 午前56(病理組織細胞学)
遺伝性腫瘍とその原因遺伝子の組合せで正しいのはどれか。
- ①遺伝性乳癌卵巣癌症候群 — RB
- ②家族性大腸腺腫症 — APC
- ③網膜芽細胞腫 — RET
- ④Cowden病 — BRCA1
- ⑤Li-Fraumeni症候群 — PTEN
正答: ②家族性大腸腺腫症 — APC
ポイント
家族性大腸腺腫症(FAP)はAPC遺伝子の生殖細胞系列変異により大腸に多数の腺腫を生じ、高率に大腸癌へ進展する常染色体顕性(優性)遺伝病である。遺伝性腫瘍と原因遺伝子の対応を正しく結びつける。
●家族性大腸腺腫症=APC。
●遺伝性乳癌卵巣癌症候群=BRCA1/BRCA2。
●網膜芽細胞腫=RB1。
●Cowden病=PTEN。
●Li-Fraumeni症候群=TP53。
●多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)=RET。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。遺伝性乳癌卵巣癌症候群の原因はBRCA1/2であり、RBは網膜芽細胞腫の原因遺伝子。
- ② 正しい。家族性大腸腺腫症はAPC遺伝子の変異による。
- ③ 誤り。網膜芽細胞腫の原因はRB1。RETはMEN2などの原因遺伝子。
- ④ 誤り。Cowden病の原因はPTENであり、BRCA1ではない。
- ⑤ 誤り。Li-Fraumeni症候群の原因はTP53であり、PTENではない。
📋 まとめの表を見る:遺伝性腫瘍症候群と原因遺伝子
いずれも常染色体顕性(優性)遺伝性の腫瘍症候群。RET以外は癌抑制遺伝子の病的変異が原因、RETはがん遺伝子(原癌遺伝子)。
第72回 午前57(病理組織細胞学)
膀胱癌で誤っているのはどれか。
- ①腺癌が多い。
- ②男性に多い。
- ③高齢者に多い。
- ④多発発生する。
- ⑤初発症状は血尿が多い。
正答: ①腺癌が多い。
ポイント
膀胱癌の大半は尿路上皮癌(移行上皮癌)で、腺癌や扁平上皮癌はまれである。男性・高齢者に多く、尿路上皮全体に多中心性(多発)に発生しやすく、初発症状は無症候性肉眼的血尿が最多である。喫煙が主要な危険因子。
●膀胱癌の組織型=尿路上皮癌(大多数)・扁平上皮癌・腺癌(いずれもまれ)。
●危険因子=喫煙・芳香族アミン(職業性)・慢性刺激。
●尿路上皮癌の特徴=多中心性発生・再発しやすい・血尿で発見。
●腺癌が多い臓器=胃・大腸・膵・前立腺など。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。最も多いのは尿路上皮癌(移行上皮癌)であり、腺癌はまれ。
- ② 正しい。男性に多い。
- ③ 正しい。高齢者に多い。
- ④ 正しい。尿路上皮全体に多中心性に発生しやすい。
- ⑤ 正しい。無症候性肉眼的血尿が初発症状として多い。
第72回 午前58(病理組織細胞学)
子宮頸部細胞診のPapanicolaou染色標本を別に示す。Bethesdaシステムによる判定はどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA058.b07c03c5a8.jpg

- ①NILM
- ②ASC-US
- ③LSIL
- ④HSIL
- ⑤Adenocarcinoma
正答: ④HSIL
ポイント
Bethesdaシステムは子宮頸部扁平上皮系病変をNILM(陰性)・ASC-US・ASC-H・LSIL・HSIL・扁平上皮癌へ段階化する。HSILは中等度〜高度異形成および上皮内癌(CIN2-3)相当で、N/C比が高く核が腫大・濃染し、クロマチン増量した異型細胞が集簇する所見を示す。
●扁平上皮系=NILM・ASC-US・ASC-H・LSIL・HSIL・SCC。
●腺系=AGC・AIS・Adenocarcinoma。
●LSIL=HPV感染・軽度異形成(CIN1)相当・コイロサイト。
●HSIL=中等度〜高度異形成・上皮内癌(CIN2-3)相当。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。上皮内病変や悪性を認めない正常〜反応性で、異型細胞のある図には合わない。
- ② 誤り。意義不明な軽度異型扁平上皮細胞で、図のような明らかな高度異型ではない。
- ③ 誤り。HPV感染・軽度異形成相当で、高度の核異型はみられない。
- ④ 正しい。中等度〜高度異形成・上皮内癌相当で、N/C比が高く濃染した異型細胞の集簇が図に一致する。
- ⑤ 誤り。腺構造を示す異型腺細胞で、扁平上皮系の本図とは異なる。
📋 まとめの表を見る:子宮頸部細胞診 Bethesdaシステムの分類
上皮内癌(CIS)は従来分類のIVに相当し、Bethesdaシステムでは概ねHSILに含まれる。
第72回 午前59(臨床血液学)
赤血球で正しいのはどれか。
- ①ヘムには3価の鉄原子が含まれる。
- ②老朽化した赤血球は変形しやすい。
- ③網赤血球は成熟赤血球よりも小さい。
- ④ヘムは代謝によりピリミジンと鉄に分解される。
- ⑤酸素分圧が低下するとヘモグロビンの酸素飽和度は低下する。
正答: ⑤酸素分圧が低下するとヘモグロビンの酸素飽和度は低下する。
ポイント
酸素解離曲線より、酸素分圧(PO2)が低下するとヘモグロビンの酸素飽和度は低下する(組織で酸素を放出する)。酸素を可逆的に結合する機能的ヘムの鉄は2価(Fe²⁺)で、3価になったものはメトヘモグロビンで酸素運搬能を失う。ヘムは分解されてビリルビンと鉄・一酸化炭素を生じる。
●ヘモグロビンの構造=ヘム(Fe²⁺のポルフィリン)+グロビン鎖。
●ヘム分解=ヘムオキシゲナーゼによりヘムからビリベルジン・鉄・一酸化炭素(CO)が生じ、ビリベルジンはビリベルジン還元酵素によりビリルビンになる。
●網赤血球=成熟赤血球よりやや大きく残存RNAを含む。
●老化赤血球=変形能低下・脾で捕捉破壊される。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。酸素を結合する機能的ヘムの鉄は2価(Fe²⁺)。3価はメトヘモグロビン。
- ② 誤り。老化した赤血球は変形能が低下し、脾で捕捉・破壊される。
- ③ 誤り。網赤血球は成熟赤血球よりやや大きい。
- ④ 誤り。ヘムはビリルビンと鉄・一酸化炭素に分解される。ピリミジンではない。
- ⑤ 正しい。酸素分圧が低下するとヘモグロビンの酸素飽和度は低下する。
第72回 午前60(臨床血液学)
急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病で異なるのはどれか。
- ①CD13陽性
- ②白血病裂孔
- ③骨髄芽球の出現
- ④特定遺伝子の転座
- ⑤ペルオキシダーゼ染色陽性
正答: ②白血病裂孔
ポイント
白血病裂孔(leukemic hiatus)は末梢血で芽球と成熟好中球がみられるが中間段階(前骨髄球・骨髄球・後骨髄球)を欠く所見で、急性骨髄性白血病(AML)の特徴である。慢性骨髄性白血病(CML)では各成熟段階の顆粒球が連続して出現し裂孔を示さない。CD13陽性・ペルオキシダーゼ陽性・遺伝子転座はいずれも両者でみられうる。
●AML=芽球が20%以上・白血病裂孔・各種転座(t(8;21)・inv(16)・t(15;17)等)。
●CML=t(9;22)(BCR::ABL1)・全成熟段階の顆粒球増加・好塩基球増加。
●骨髄系マーカー=CD13・CD33・ミエロペルオキシダーゼ(MPO)(両者で陽性)。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。骨髄系マーカーCD13は両者とも陽性になりうる区別点ではない。
- ② 正しい。白血病裂孔はAMLでみられCMLではみられない、両者を分ける所見。
- ③ 誤り。骨髄芽球はいずれでも出現しうる(CMLでも増加)ため決定的差ではない。
- ④ 誤り。CMLはt(9;22)、AMLも各種転座をもち、いずれも遺伝子転座をもちうる。
- ⑤ 誤り。ペルオキシダーゼ染色は骨髄系の両者で陽性となりうる区別点ではない。
📋 まとめの表を見る:急性骨髄性白血病〈AML〉と慢性骨髄性白血病〈CML〉の鑑別点
第72回 午前61(臨床血液学)
線溶因子はどれか。
- ①FDP
- ②フィブリノゲン
- ③プラスミノゲン
- ④プロトロンビン
- ⑤アンチトロンビン
正答: ③プラスミノゲン
ポイント
線溶系はプラスミノゲンがt-PAやu-PAによりプラスミンへ活性化され、フィブリンを分解する系である。プラスミノゲンはその中心となる前駆体因子。FDPはフィブリン/フィブリノゲンの分解産物(結果)、フィブリノゲン・プロトロンビンは凝固因子、アンチトロンビンは凝固制御因子である。
●線溶系の因子=プラスミノゲン/プラスミン・t-PA・u-PA。
●線溶の制御=PAI-1(活性化抑制)・α2-プラスミンインヒビター(プラスミン阻害)。
●線溶の分解産物=FDP・Dダイマー。
●凝固制御因子=アンチトロンビン・プロテインC・プロテインS・TFPI。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。フィブリン/フィブリノゲン分解産物で、線溶の結果であり因子ではない。
- ② 誤り。凝固第I因子で、線溶因子ではない。
- ③ 正しい。プラスミンの前駆体で線溶系の中心因子。
- ④ 誤り。凝固第II因子(トロンビン前駆体)で、線溶因子ではない。
- ⑤ 誤り。トロンビン・Xaを抑える凝固制御因子で、線溶因子ではない。
第72回 午前62(臨床血液学)
骨髄塗抹標本の鉄染色像を別に示す。考えられる疾患はどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA062.296342e913.jpg

- ①真性多血症
- ②悪性リンパ腫
- ③多発性骨髄腫
- ④巨赤芽球性貧血
- ⑤骨髄異形成症候群
正答: ⑤骨髄異形成症候群
ポイント
骨髄塗抹の鉄染色(Berlin blue)で、赤芽球の核を環状に取り囲む鉄顆粒(環状鉄芽球)を多数認める場合、骨髄異形成症候群(MDS)、特に環状鉄芽球を伴う型を考える。環状鉄芽球はミトコンドリアへの鉄沈着を反映する。
●環状鉄芽球を示す病態=MDS(環状鉄芽球を伴う型)・鉄芽球性貧血(遺伝性・続発性)。
●MDSの異形成=偽Pelger核・過分葉・微小巨核球・赤芽球異形成。
●鉄染色の用途=貯蔵鉄(マクロファージ)・鉄芽球・環状鉄芽球の評価。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。赤血球増加が主体で、環状鉄芽球は特徴ではない。
- ② 誤り。リンパ系腫瘍で、環状鉄芽球とは関係しない。
- ③ 誤り。形質細胞増加が主体で、環状鉄芽球の所見ではない。
- ④ 誤り。巨赤芽球が特徴で、環状鉄芽球が主所見ではない。
- ⑤ 正しい。環状鉄芽球を伴う型があり、図に一致する。
📋 まとめの表を見る:骨髄異形成症候群〈MDS〉の血球系統別 異形成所見
骨髄は多くの場合、正〜過形成(低形成の病型もある)、芽球比率は20%未満(20%以上は急性骨髄性白血病)。染色体異常は5q-・-7/7q-・+8など多様で、病型特異的なものは少ない。
第72回 午前63(臨床血液学)
3.14%クエン酸ナトリウム溶液を用いて抗凝固した血液の遠心分離(1,500G、15分間)後の状態を別に示す。血小板が存在するのは図中矢印のどの位置か。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA063.24e2c649df.jpg

正答: ②b
ポイント
抗凝固血を遠心分離すると、比重に従い下から赤血球層、その上に白血球・血小板からなる薄い灰白色の層(バフィーコート)、最上層に血漿が分離する。血小板は赤血球層と血漿の境界部のバフィーコートに位置する。
●遠心後の層構造=(上)血漿→バフィーコート(白血球・血小板)→赤血球層(下)。
●3.14%(3.2%)クエン酸ナトリウム=凝固検査の標準抗凝固剤(血液9:抗凝固剤1)。
●多血小板血漿(PRP)=低速遠心で得る・血小板凝集能検査に用いる。
●乏血小板血漿(PPP)=高速遠心で得る。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。最上層の血漿で、血小板の主層ではない。
- ② 正しい。血漿と赤血球の境界のバフィーコート(白血球・血小板層)で、血小板はここに存在する。
- ③ 誤り。赤血球層上部で、血小板の主層ではない。
- ④ 誤り。赤血球層内で、血小板はここには集まらない。
- ⑤ 誤り。管底の赤血球層で、血小板の位置ではない。
第72回 午前64(臨床血液学)
第XIII因子で正しいのはどれか。
- ①創傷治癒に関係する。
- ②欠損症でAPTTが延長する。
- ③蛋白分解酵素の前駆体である。
- ④活性化第X因子により活性化される。
- ⑤フィブリンβ鎖間に架橋結合をもたらす。
正答: ①創傷治癒に関係する。
ポイント
第XIII因子はフィブリン安定化因子で、トロンビンとCa²⁺により活性化されるトランスグルタミナーゼである。フィブリンモノマー間のγ鎖(およびα鎖)に共有結合(架橋)を形成して血餅を安定化し、創傷治癒に関与する。欠損ではPT・APTTは正常だが臍出血・遅発性出血や創傷治癒遅延をきたす。
●ビタミンK依存性凝固因子=II・VII・IX・X(およびプロテインC/S)。
●接触因子(内因系)=XII・XI・プレカリクレイン・HMWK。
●第XIII因子=フィブリン架橋・トランスグルタミナーゼ・PT/APTT正常。
●フィブリン架橋部位=主にγ鎖間、次いでα鎖。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。フィブリンの安定化を通じ創傷治癒に関与する。
- ② 誤り。第XIII因子欠損ではPT・APTTは正常で、凝固時間検査では検出されない。
- ③ 誤り。活性型はトランスグルタミナーゼであり、蛋白分解酵素の前駆体ではない。
- ④ 誤り。第XIII因子はトロンビンとCa²⁺により活性化される。活性化第X因子ではない。
- ⑤ 誤り。架橋は主にフィブリンγ鎖間(およびα鎖)に形成され、β鎖間ではない。
第72回 午前65(臨床血液学)
APTTが延長しない薬剤はどれか。
- ①ヘパリン
- ②アスピリン
- ③直接抗Xa薬
- ④ワルファリン
- ⑤直接抗トロンビン薬
正答: ②アスピリン
ポイント
APTTは内因系・共通系の凝固を反映する検査である。ヘパリン(アンチトロンビン依存性にトロンビン・Xaを阻害)・直接抗トロンビン薬・直接抗Xa薬・ワルファリン(ビタミンK依存性因子低下)は凝固因子に作用してAPTTを延長しうる。アスピリンは血小板のシクロオキシゲナーゼを阻害する抗血小板薬で、凝固因子に作用せずAPTTは延長しない。
●抗凝固薬=ヘパリン・ワルファリン・直接抗Xa薬(リバーロキサバン等)・直接抗トロンビン薬(ダビガトラン等)。
●抗血小板薬=アスピリン・クロピドグレル・チクロピジン(凝固時間に影響しない)。
●APTTで評価=内因系因子・ヘパリン療法のモニタリング。
●PTで評価=外因系因子・ワルファリン療法(PT-INR)。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。アンチトロンビンを介しトロンビン・Xaを阻害しAPTTを延長する。
- ② 正しい。血小板のシクロオキシゲナーゼを抑える抗血小板薬で、凝固因子に作用せずAPTTは延長しない。
- ③ 誤り。Xaを直接阻害しAPTT(やPT)を延長しうる。
- ④ 誤り。ビタミンK依存性因子を低下させ、PT延長が主だがAPTTも延長しうる。
- ⑤ 誤り。トロンビンを直接阻害しAPTTを延長する。
第72回 午前66(臨床血液学)
血小板凝集能検査所見を別に示す(図中矢印は各アゴニスト添加を表す)。考えられるのはどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA066.2d61b3963d.jpg

- ①血小板無力症
- ②抗血小板薬服用
- ③Storage pool病
- ④von Willebrand病
- ⑤Bernard-Soulier症候群
正答: ①血小板無力症
ポイント
血小板無力症(Glanzmann血小板無力症)はGPIIb/IIIa(フィブリノゲン受容体)の欠損・異常により、ADP・コラーゲン・エピネフリンなど多くのアゴニストに対して凝集が起こらない。一方リストセチン凝集はGPIb-VWFを介するため保たれるのが特徴である。
●GPIIb/IIIa異常=血小板無力症(リストセチン以外で無凝集)。
●GPIb異常=Bernard-Soulier症候群(リストセチンのみ低下)。
●VWF異常=von Willebrand病(リストセチン凝集低下・他は正常)。
●顆粒(放出)異常=Storage pool病(二次凝集障害・一次凝集は保たれる)。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。GPIIb/IIIa欠損でリストセチン以外のアゴニストに凝集が起こらず、図に一致する。
- ② 誤り。凝集は低下しうるが完全消失とは限らず、典型像が異なる。
- ③ 誤り。顆粒欠乏で二次(放出)凝集が障害されるが一次凝集は起こり、パターンが異なる。
- ④ 誤り。VWF低下でリストセチン凝集が低下するのが特徴で、ADP等は正常であり図と逆。
- ⑤ 誤り。GPIb欠損でリストセチン凝集のみ低下し他は正常であり、図と逆。
第72回 午前67(臨床血液学)
染色体異常とそれに伴う融合遺伝子との組合せで正しいのはどれか。
- ①t(8;21)(q22;q22) — CBFB::MYH11
- ②t(9;11)(p21.3;q23.3) — BCR::ABL1
- ③t(9;22)(q34;q11.2) — MLLT3::KMT2A
- ④t(15;17)(q22;q12) — PML::RARA
- ⑤inv(16)(p13.1;q22) — RUNX1::RUNX1T1
正答: ④t(15;17)(q22;q12) — PML::RARA
ポイント
t(15;17)(q22;q12)はPML::RARA融合遺伝子を生じ、急性前骨髄球性白血病(APL)を引き起こす。各染色体異常と融合遺伝子の対応を正しく結びつける。
●t(15;17)=PML::RARA(APL・全トランス型レチノイン酸が有効)。
●t(8;21)=RUNX1::RUNX1T1(AML-M2)。
●inv(16)/t(16;16)=CBFB::MYH11(AML-M4Eo)。
●t(9;22)=BCR::ABL1(CML・一部ALL)。
●t(9;11)=MLLT3::KMT2A(MLL再構成・単球系AML)。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。t(8;21)はRUNX1::RUNX1T1であり、CBFB::MYH11はinv(16)に対応する。
- ② 誤り。t(9;11)はMLLT3::KMT2Aであり、BCR::ABL1はt(9;22)に対応する。
- ③ 誤り。t(9;22)はBCR::ABL1であり、MLLT3::KMT2Aはt(9;11)に対応する。
- ④ 正しい。t(15;17)はPML::RARA(急性前骨髄球性白血病)の融合遺伝子。
- ⑤ 誤り。inv(16)はCBFB::MYH11であり、RUNX1::RUNX1T1はt(8;21)に対応する。
📋 まとめの表を見る:白血病の染色体異常と融合遺伝子
予後との関連は疾患・遺伝子異常・治療によって異なる(急性骨髄性白血病ではt(8;21)・inv(16)・t(15;17)が予後良好群、t(9;11)のKMT2A::MLLT3は中間群。t(11;14)を伴うマントル細胞リンパ腫やPh陽性急性リンパ性白血病はむしろ予後不良とされる)。CMLではBCR-ABL1が診断・治療標的である。融合遺伝子の表記は「A-B」「A::B」のどちらの過去問表記にも対応する。
第72回 午前68(臨床微生物学)
Cryptococcus neoformansの莢膜の観察に適するのはどれか。
- ①墨汁法
- ②Hiss法
- ③Wirtz法
- ④Neisser法
- ⑤Hucker変法
正答: ①墨汁法
ポイント
Cryptococcus neoformansは厚い多糖性莢膜をもつ酵母様真菌で、墨汁(India ink)法では背景が黒く染まる中、莢膜部分が抜けて明るい輪として観察される陰性染色である。髄液の検鏡に広く用いられる。
●墨汁法=クリプトコッカス莢膜・陰性染色(背景を黒く)。
●莢膜染色(細菌)=Hiss法・Anthony法。
●芽胞染色=Wirtz法(Wirtz-Conklin法)・Schaeffer-Fulton法。
●異染小体染色=Neisser法・Albert法(ジフテリア菌)。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。背景を黒くし莢膜を抜き出して観察する陰性染色で、クリプトコッカス莢膜に適する。
- ② 誤り。細菌の莢膜染色法の一つだが、クリプトコッカス莢膜観察の定番は墨汁法。
- ③ 誤り。芽胞(細菌)染色法で、莢膜観察ではない。
- ④ 誤り。ジフテリア菌の異染小体を染める方法で、莢膜観察ではない。
- ⑤ 誤り。グラム染色(Hucker変法)の一法で、莢膜の観察法ではない。
第72回 午前69(臨床微生物学)
喀痰のGram染色標本を別に示す。考えられるのはどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA069.6b01b0242e.jpg

- ①Bacillus cereus
- ②Corynebacterium diphtheriae
- ③Staphylococcus aureus
- ④Streptococcus pyogenes
- ⑤Streptococcus pneumoniae
正答: ⑤Streptococcus pneumoniae
ポイント
喀痰のグラム染色でランセット(槍先)型のグラム陽性双球菌を多数認める場合、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)を考える。莢膜をもち、市中肺炎の主要起炎菌である。各菌の形態と配列で鑑別する。
●グラム陽性双球菌(ランセット型)=Streptococcus pneumoniae。
●グラム陽性球菌(ブドウ房状)=Staphylococcus aureus。
●グラム陽性連鎖球菌=Streptococcus pyogenes。
●グラム陽性大桿菌(芽胞)=Bacillus cereus。
●グラム陽性桿菌(異染小体・柵状)=Corynebacterium diphtheriae。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。グラム陽性大桿菌(芽胞をもつ)で、双球菌ではない。
- ② 誤り。グラム陽性桿菌(異染小体)で、双球菌ではない。
- ③ 誤り。グラム陽性球菌だがブドウの房状集塊で、双球ではない。
- ④ 誤り。グラム陽性連鎖球菌で、双球ではない。
- ⑤ 正しい。ランセット型のグラム陽性双球菌で、喀痰の図に一致する。
第72回 午前70(臨床微生物学)
RNAウイルスはどれか。2つ選べ。
- ①コロナウイルス
- ②B型肝炎ウイルス
- ③サイトメガロウイルス
- ④インフルエンザウイルス
- ⑤ヒトパピローマウイルス
正答: ①コロナウイルス・④インフルエンザウイルス
ポイント
ウイルスは核酸の種類でDNAウイルスとRNAウイルスに大別される。コロナウイルス(一本鎖RNA)とインフルエンザウイルス(分節一本鎖RNA)はRNAウイルス、HBV・CMV・HPVはDNAウイルスである。
●RNAウイルス=コロナ・インフルエンザ・麻疹・風疹・ポリオ・HIV(レトロ)・C型肝炎ウイルス(HCV)。
●DNAウイルス=B型肝炎ウイルス(逆転写を伴う)・ヘルペス科(CMV・EBV・HSV・VZV)・パピローマ・アデノ。
●エンベロープあり=インフルエンザ・コロナ・ヘルペス・HBV。
●エンベロープなし=アデノ・パピローマ・ポリオ。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。一本鎖RNAウイルスである。
- ② 誤り。複製に逆転写を伴うDNAウイルスで、RNAウイルスではない。
- ③ 誤り。ヘルペス科のDNAウイルスで、RNAウイルスではない。
- ④ 正しい。分節一本鎖RNAウイルスである。
- ⑤ 誤り。DNAウイルスで、RNAウイルスではない。
第72回 午前71(臨床微生物学)
蛋白合成阻害作用を有する抗菌薬はどれか。
- ①キノロン系
- ②ペニシリン系
- ③マクロライド系
- ④グリコペプチド系
- ⑤ホスホマイシン系
正答: ③マクロライド系
ポイント
マクロライド系抗菌薬は細菌の50Sリボソームサブユニットに結合して蛋白合成を阻害する。キノロン系は核酸(DNA)合成、ペニシリン系・グリコペプチド系・ホスホマイシン系は細胞壁合成を阻害する。
●蛋白合成阻害=マクロライド・テトラサイクリン・アミノグリコシド・クロラムフェニコール・リンコマイシン。
●細胞壁合成阻害=β-ラクタム(ペニシリン・セフェム)・グリコペプチド(バンコマイシン)・ホスホマイシン。
●核酸合成阻害=キノロン(DNA)・リファンピシン(RNA)。
●葉酸合成阻害=ST合剤(サルファ剤・トリメトプリム)。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。DNAジャイレース/トポイソメラーゼを阻害する核酸合成阻害薬。
- ② 誤り。細胞壁合成(PBP)を阻害する。
- ③ 正しい。50Sリボソームに結合し蛋白合成を阻害する。
- ④ 誤り。細胞壁前駆体に結合し細胞壁合成を阻害する(バンコマイシン)。
- ⑤ 誤り。細胞壁合成の初期段階を阻害する。
第72回 午前72(臨床微生物学)
らせん菌はどれか。
- ①Actinomyces israelii
- ②Bordetella pertussis
- ③Helicobacter pylori
- ④Listeria monocytogenes
- ⑤Mycoplasma pneumoniae
正答: ③Helicobacter pylori
ポイント
Helicobacter pyloriはらせん状(湾曲)のグラム陰性桿菌で、複数の鞭毛をもち胃粘膜に定着する。らせん菌の代表はHelicobacter・Campylobacter・スピロヘータである。
●らせん菌=Helicobacter・Campylobacter・Vibrio(湾曲)・スピロヘータ(Treponema・Leptospira・Borrelia)。
●放線菌(糸状)=Actinomyces・Nocardia。
●グラム陰性小桿菌=Bordetella pertussis・Haemophilus。
●細胞壁を欠く=Mycoplasma・Ureaplasma。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。放線菌(グラム陽性の糸状桿菌)で、らせんではない。
- ② 誤り。グラム陰性小桿菌(百日咳菌)で、らせんではない。
- ③ 正しい。らせん状のグラム陰性桿菌である。
- ④ 誤り。グラム陽性桿菌で、らせんではない。
- ⑤ 誤り。細胞壁を欠く多形性の菌で、らせん菌ではない。
第72回 午前73(臨床微生物学)
Hucker変法に用いるのはどれか。
- ①サフラニン
- ②メチレン青
- ③ビクトリア青
- ④石炭酸フクシン
- ⑤アセトン・エタノール
正答: ①サフラニン
ポイント
Hucker変法はグラム染色の代表的な手技で、後染色(対比染色)にサフラニンを用いてグラム陰性菌を赤色に染める。主染色はクリスタル紫、媒染にヨウ素(ルゴール)、脱色にアルコールを用いる。
●グラム染色の試薬=クリスタル紫(主染色)→ルゴール(媒染)→アルコール(脱色)→サフラニン(後染色)。
●陽性菌=紫、陰性菌=赤。
●Hucker変法=後染色にサフラニンを用いるグラム染色法。
●抗酸染色(Ziehl-Neelsen)=石炭酸フクシン(主染色)・メチレン青(後染色)。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。グラム染色の後染色で陰性菌を赤に染め、Hucker変法で用いる。
- ② 誤り。単染色などに用いるが、Hucker変法の指定色ではない。
- ③ 誤り。弾性線維やHBs抗原の染色に用いる色素で、グラム染色ではFavor法など別の変法の主染色に用いられるが、Hucker変法では用いない。
- ④ 誤り。抗酸染色(Ziehl-Neelsen)の主染色である。
- ⑤ 誤り。アセトン・エタノールはBartholomew-Mittwer法(B&M法)など別の変法で用いる脱色剤で、Hucker変法の脱色にはエタノールを用いる。
第72回 午前74(臨床微生物学)
プラスミドで正しいのはどれか。
- ①ウイルスが保有する。
- ②一本鎖のRNAである。
- ③接合によって伝達する。
- ④染色体内に含まれる遺伝因子である。
- ⑤ゲノム上を転移できる塩基配列である。
正答: ③接合によって伝達する。
ポイント
プラスミドは細菌が染色体とは独立にもつ環状二本鎖DNAで、自己複製能をもつ。接合(性線毛を介した菌間の接触)によって他菌へ伝達され、薬剤耐性遺伝子や病原因子を運ぶことがある。
●プラスミド=染色体外の環状二本鎖DNA・自己複製・接合伝達・薬剤耐性(Rプラスミド)。
●遺伝子伝達の様式=接合(プラスミド)・形質導入(ファージ)・形質転換(裸のDNA)。
●トランスポゾン=ゲノム上を転移する可動性塩基配列。
●ファージ=細菌に感染するウイルス。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。プラスミドは細菌がもつ染色体外DNAで、ウイルスが保有するものではない。
- ② 誤り。環状の二本鎖DNAであり、一本鎖RNAではない。
- ③ 正しい。接合(性線毛)を介して菌から菌へ伝達する。
- ④ 誤り。染色体とは独立に存在する遺伝因子である。
- ⑤ 誤り。ゲノム上を転移する塩基配列はトランスポゾンの説明であり、プラスミドではない。
第72回 午前75(臨床微生物学)
Streptococcus pyogenesで正しいのはどれか。
- ①バシトラシン耐性である。
- ②カタラーゼ試験陽性である。
- ③α溶血のコロニーを形成する。
- ④Lancefield分類A群に属する。
- ⑤pyrrolidonyl arylamidase〈PYR〉試験陰性である。
正答: ④Lancefield分類A群に属する。
ポイント
Streptococcus pyogenesはLancefield分類A群のβ溶血連鎖球菌(A群溶連菌)で、バシトラシン感受性・カタラーゼ陰性・PYR(ピロリドニルアリルアミダーゼ)陽性が鑑別点となる。咽頭炎・猩紅熱・リウマチ熱・急性糸球体腎炎の原因菌。
●A群溶連菌(S. pyogenes)=β溶血・バシトラシン感受性・PYR陽性・A群抗原。
●B群溶連菌(S. agalactiae)=CAMP試験陽性・馬尿酸加水分解陽性・新生児感染。
●連鎖球菌の溶血=α(緑色)・β(完全)・γ(非溶血)。
●カタラーゼ=ブドウ球菌陽性・連鎖球菌陰性。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。バシトラシン感受性であり(A群の鑑別点)、耐性ではない。
- ② 誤り。連鎖球菌はカタラーゼ陰性である。
- ③ 誤り。β(完全)溶血のコロニーを形成する。
- ④ 正しい。Lancefield分類A群(GAS)に属する。
- ⑤ 誤り。S. pyogenesはPYR試験陽性である。
第72回 午前76(臨床微生物学)
ヒトの粘膜の消毒に用いるのはどれか。
- ①逆性石鹸
- ②クレゾール石鹸
- ③グルタルアルデヒド
- ④消毒用エタノール
- ⑤次亜塩素酸ナトリウム
正答: ①逆性石鹸
ポイント
粘膜は刺激に弱いため、毒性・刺激性の低い消毒薬が用いられる。逆性石鹸(陽イオン界面活性剤、塩化ベンザルコニウム・塩化ベンゼトニウム)は低水準消毒薬で、皮膚・粘膜・創部の消毒に適する。グルタルアルデヒドや次亜塩素酸ナトリウムは組織傷害性が強く器具・環境用で、生体の粘膜には用いない。
●高水準消毒=グルタルアルデヒド・過酢酸・フタラール(内視鏡など器具)。
●中水準消毒=次亜塩素酸ナトリウム・ポビドンヨード・消毒用エタノール・クレゾール石鹸。
●低水準消毒=逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)・クロルヘキシジン(皮膚向き。腟・膀胱・口腔などの粘膜への使用は禁忌)。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン界面活性剤で、刺激が少なく皮膚・粘膜の消毒に用いる。
- ② 中水準消毒薬で刺激が強く、排泄物・器具などに用い、粘膜には適さない。
- ③ 高水準消毒薬で器具消毒用。組織傷害性が強く生体・粘膜には用いない。
- ④ 皮膚の消毒には用いるが、創部・粘膜には刺激が強く適さない。
- ⑤ 環境・器具の消毒用で、粘膜には刺激が強く不適である。
第72回 午前77(臨床微生物学)
二形性真菌はどれか。
- ①Aspergillus fumigatus
- ②Candida albicans
- ③Exophiala dermatitidis
- ④Microsporum canis
- ⑤Sporothrix schenckii
正答: ⑤Sporothrix schenckii
ポイント
二形性真菌は環境温度(25℃)で菌糸形、体温(37℃)で酵母形(または組織内特有の形)をとる真菌で、Sporothrix schenckiiが代表である。ほかにHistoplasma・Blastomyces・Coccidioides・Paracoccidioides・Talaromyces(Penicillium) marneffeiが含まれる。アスペルギルスや皮膚糸状菌は常に菌糸形の糸状菌、カンジダは酵母様真菌で温度依存二形性の典型ではない。
●二形性真菌=Sporothrix schenckii・Histoplasma capsulatum・Blastomyces dermatitidis・Coccidioides immitis・Talaromyces marneffei。
●糸状菌=Aspergillus・Microsporum・Trichophyton(皮膚糸状菌)・Mucor。
●酵母・酵母様真菌=Candida・Cryptococcus neoformans・Malassezia。
選択肢ごとの解説
- ① 常に菌糸形の糸状菌で、温度依存性二形性真菌ではない。
- ② 酵母様真菌で仮性菌糸を形成するが、温度依存性二形性の代表ではない。
- ③ 黒色真菌(酵母様〜菌糸形)で、典型的な二形性真菌には分類されない。
- ④ 皮膚糸状菌の一つで、糸状菌である。
- ⑤ 正しい。25℃で菌糸形、37℃で酵母形をとる二形性真菌である。
第72回 午前78(臨床微生物学)
Escherichia coliを対象に実施した薬剤耐性の確認試験を別に示す。検出目的のβ-ラクタマーゼはどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA078.fea0f82ca5.jpg

- ①オキサシリナーゼ
- ②基質拡張型β-ラクタマーゼ
- ③セファロスポリナーゼ
- ④ペニシリナーゼ
- ⑤メタロ-β-ラクタマーゼ
正答: ②基質拡張型β-ラクタマーゼ
ポイント
基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)は第三世代セファロスポリンやモノバクタムを分解するが、クラブラン酸で阻害される。確認試験ではセフォタキシムやセフタジジムの単剤ディスクと、クラブラン酸配合ディスクの阻止円を比較し、配合側で阻止円が拡大(ダブルディスク法でキーホール状)すれば陽性と判定する。図はこの所見を示す。
●クラブラン酸で阻害=ESBL(ペニシリナーゼ系の変異型)。
●クラブラン酸で阻害されにくい=AmpC型(セファロスポリナーゼ)・OXA型(オキサシリナーゼ)。
●EDTA(亜鉛キレート)で阻害=メタロ-β-ラクタマーゼ(カルバペネム分解)。
選択肢ごとの解説
- ① OXA型でクラブラン酸の阻害を受けにくく、図のクラブラン酸による阻止円拡大とは合わない。
- ② 正しい。クラブラン酸で阻害され、ダブルディスク法で阻止円が拡大する所見に一致する。
- ③ AmpC型でクラブラン酸阻害を受けにくく、本確認試験の検出対象ではない。
- ④ 狭域でセフェムを分解せず、ESBL確認試験の対象ではない。
- ⑤ 亜鉛依存性でEDTAにより阻害され、クラブラン酸では阻害されない。
第72回 午前79(臨床免疫学)
抗原提示細胞はどれか。
- ①好酸球
- ②NK細胞
- ③樹状細胞
- ④肥満細胞
- ⑤ヘルパーT細胞
正答: ③樹状細胞
ポイント
プロフェッショナル抗原提示細胞はMHCクラスIIを発現し、ヘルパーT細胞に抗原を提示する細胞で、樹状細胞・マクロファージ・B細胞がこれにあたる。なかでも樹状細胞が最も強力で、ナイーブT細胞を初めて活性化できる。好酸球・NK細胞・肥満細胞は抗原提示を担わず、ヘルパーT細胞は提示を受ける側である。
●プロフェッショナル抗原提示細胞=樹状細胞・マクロファージ・B細胞。
●自然免疫の細胞傷害=NK細胞。
●アレルギー・寄生虫防御に関与=好酸球・肥満細胞・好塩基球。
選択肢ごとの解説
- ① 寄生虫防御やアレルギーに関与する顆粒球で、抗原提示細胞ではない。
- ② 自然免疫の細胞傷害を担う細胞で、抗原提示は行わない。
- ③ 正しい。最も強力な抗原提示細胞で、ナイーブT細胞を活性化する。
- ④ 即時型アレルギーに関与する細胞で、抗原提示細胞ではない。
- ⑤ 抗原提示を受ける側のT細胞であり、提示細胞ではない。
第72回 午前80(臨床免疫学)
標識免疫測定法で正しいのはどれか。
- ①化学発光免疫測定法は散乱光を測定する。
- ②不均一測定法はB/F分離を必要としない。
- ③均一測定法はハプテンの定量に用いられる。
- ④蛍光免疫測定法は励起光の強度を測定する。
- ⑤生物発光免疫測定法にはルテニウム錯体が用いられる。
正答: ③均一測定法はハプテンの定量に用いられる。
ポイント
均一(ホモジニアス)測定法はB/F分離を必要とせず、酵素活性などの変化を直接測定するため、薬物などの低分子ハプテン定量に適する。不均一(ヘテロジニアス)法はB/F分離を要する。化学発光は発光量、蛍光免疫測定は励起後に生じる蛍光を測定し、ルテニウム錯体は電気化学発光(ECLIA)で用いる。
●標識物質=酵素(EIA)・蛍光(FIA)・化学発光(CLIA/CLEIA)・電気化学発光(ECLIA、ルテニウム錯体)・放射性同位元素(RIA)。
●B/F分離が必要=不均一法。
●B/F分離が不要=均一法(ハプテン定量に利用)。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。化学発光免疫測定法は発光量(光量)を測定する。散乱光を測るのは比ろう法で、比濁法は透過光の減弱を測定する。
- ② 誤り。不均一(ヘテロジニアス)測定法はB/F分離を必要とする。
- ③ 正しい。B/F分離が不要で、薬物などの低分子ハプテンの定量に用いられる。
- ④ 誤り。励起光ではなく、励起後に発する蛍光の強度を測定する。
- ⑤ 誤り。ルテニウム錯体は電気化学発光免疫測定法(ECLIA)で用いられる。
第72回 午前81(臨床免疫学)
食細胞機能が障害されるのはどれか。
- ①慢性肉芽腫症
- ②DiGeorge症候群
- ③重症複合免疫不全症
- ④無γ-グロブリン血症
- ⑤Wiskott-Aldrich症候群
正答: ①慢性肉芽腫症
ポイント
慢性肉芽腫症はNADPHオキシダーゼの欠損により好中球・マクロファージが活性酸素を産生できず、貪食はできても殺菌ができない食細胞(貪食細胞)機能異常症である。カタラーゼ陽性菌(黄色ブドウ球菌・セラチア・アスペルギルスなど)による反復感染と肉芽腫形成が特徴。他の選択肢はそれぞれT細胞・B細胞系の障害である。
●食細胞機能の障害=慢性肉芽腫症・白血球接着不全症(LAD)・Chédiak-Higashi症候群・重症先天性好中球減少症。
●細胞性免疫(T細胞)の障害=DiGeorge症候群・重症複合免疫不全症(SCID)・Wiskott-Aldrich症候群・後天性免疫不全症候群(AIDS)。
●液性免疫(B細胞・抗体)の障害=X連鎖無γ-グロブリン血症(Bruton)・分類不能型免疫不全症(CVID)・選択的IgA欠損症・高IgM症候群。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい。NADPHオキシダーゼ欠損で好中球の活性酸素産生(殺菌)が障害される食細胞機能異常症で、カタラーゼ陽性菌による反復感染・肉芽腫を生じる。
- ② DiGeorge症候群は胸腺低形成によりT細胞が欠損する細胞性免疫不全で、食細胞機能の障害ではない。22q11.2欠失・低カルシウム血症・心奇形を伴う。
- ③ 重症複合免疫不全症はT細胞免疫と抗体産生(液性免疫)がともに高度に障害される複合免疫不全(B細胞数自体は保たれる病型もある)で、食細胞そのものの機能障害ではない。
- ④ 無γ-グロブリン血症はB細胞が成熟せず抗体を産生できない液性免疫不全(Bruton型はX連鎖)で、食細胞機能の障害ではない。
- ⑤ Wiskott-Aldrich症候群は血小板減少・湿疹・易感染を呈するX連鎖の複合免疫不全で、食細胞の殺菌障害が本態ではない。
📋 まとめの表を見る:原発性免疫不全症の分類(障害される免疫系統別)
Wiskott-Aldrich症候群(XR、T細胞機能低下+血小板減少)や毛細血管拡張性失調症(AR、進行性小脳失調)もT細胞系機能不全に分類される。
第72回 午前82(臨床免疫学)
抗体のがん抗原結合部分とT細胞刺激伝達分子を融合させたキメラ抗原受容体でがん細胞を攻撃する治療法はどれか。
- ①減感作療法
- ②CAR-T療法
- ③中和抗体療法
- ④分子標的療法
- ⑤ステロイドパルス療法
正答: ②CAR-T療法
ポイント
CAR-T療法は患者から採取したT細胞に、がん抗原を認識する抗体由来の結合部位とT細胞活性化シグナル伝達ドメインを融合したキメラ抗原受容体(CAR)を遺伝子導入し、増殖させて投与する細胞療法である。設問の説明に一致する。CD19を標的とする製剤がB細胞性白血病・リンパ腫に用いられる。
●がん免疫療法=CAR-T療法・免疫チェックポイント阻害薬・がんワクチン・養子免疫療法。
●抗体医薬=中和抗体療法・モノクローナル抗体による分子標的療法(分子標的薬には抗体医薬のほかにチロシンキナーゼ阻害薬などの低分子薬がある)。
●アレルギー免疫療法=減感作療法(アレルゲン免疫療法)。
選択肢ごとの解説
- ① アレルゲンを少量ずつ投与する免疫療法で、キメラ抗原受容体とは無関係である。
- ② 正しい。CARを発現させたT細胞でがん細胞を攻撃する細胞療法で、設問の説明に一致する。
- ③ 抗体で病原体や分子を中和する治療で、T細胞の遺伝子改変ではない。
- ④ 特定分子(チロシンキナーゼなど)を阻害する薬物療法で、CAR-Tとは異なる。
- ⑤ 大量のステロイドで炎症を抑える治療で、がん免疫細胞療法ではない。
第72回 午前83(臨床免疫学)
溶解反応を原理とする検査はどれか。2つ選べ。
- ①寒冷凝集反応
- ②RPRカードテスト
- ③直接抗グロブリン試験
- ④血清補体価〈CH50〉測定
- ⑤Donath-Landsteiner試験
正答: ④血清補体価〈CH50〉測定・⑤Donath-Landsteiner試験
ポイント
溶解反応は補体による赤血球などの破壊(溶血)を指標とする反応である。血清補体価(CH50)は感作赤血球の補体溶血を50%溶血点で測定し、Donath-Landsteiner試験は低温で結合した自己抗体が復温時に補体性溶血を起こす現象(発作性寒冷ヘモグロビン尿症)をみる。両者が溶解反応にあたる。
●溶解反応=CH50・Donath-Landsteiner試験・溶血斑試験。
●凝集反応=寒冷凝集反応・直接/間接抗グロブリン試験・赤血球凝集反応・ラテックス凝集。
●沈降反応=RPRカードテスト・免疫比濁法・オクタロニー法。
選択肢ごとの解説
- ① 赤血球の凝集をみる反応で、溶解反応ではない。
- ② RPRカードテストは脂質抗原(カルジオリピンなど)に対する抗体を検出する沈降反応(絮状反応)であり、溶解反応ではない。
- ③ 赤血球に結合した抗体・補体を抗グロブリン血清で凝集させる反応で、溶解ではない。
- ④ 正しい。感作赤血球の補体溶血を50%溶血点で測定する溶解反応である。
- ⑤ 正しい。低温で結合し復温時に補体性溶血を起こす現象をみる溶解反応である(発作性寒冷ヘモグロビン尿症)。
第72回 午前84(臨床免疫学)
急性B型肝炎の自然経過における各マーカー相対量の推移を別に示す。HBs抗体はどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA084.646e6bfaf3.jpg

正答: ⑤e
ポイント
急性B型肝炎では、まずHBs抗原とHBe抗原が出現し、HBe抗原の消失後にHBe抗体が、回復期には最後にHBs抗体が出現して持続する。HBs抗体はウイルスの中和・治癒を示す指標で、HBs抗原消失後のウインドウ期を経て最も遅れて上昇するため、図では最後に立ち上がる曲線(e)が該当する。
●感染初期に出現=HBs抗原・HBe抗原・HBV-DNA・IgM-HBc抗体。
●経過中〜持続=HBc抗体(IgG)。
●回復期に出現=HBe抗体・HBs抗体(中和・治癒の指標)。
選択肢ごとの解説
- ① 最初期に出現するマーカーで、HBs抗体ではない。
- ② 早期に出現するマーカーで、HBs抗体ではない。
- ③ 中期に立ち上がるマーカーで、HBs抗体ではない。
- ④ 経過中に上昇するマーカー(HBc抗体など)で、HBs抗体ではない。
- ⑤ 正しい。回復期に最後に出現して持続する曲線で、HBs抗体(治癒・中和の指標)に一致する。
第72回 午前85(臨床免疫学)
ABO血液型抗原で正しいのはどれか。
- ①発現は赤血球膜上に限局している。
- ②遺伝子は第9染色体の長腕に存在する。
- ③A1型の抗原発現量は成人より新生児の方が多い。
- ④A遺伝子はB遺伝子に対して潜性〈劣性〉である。
- ⑤B型はN-アセチルガラクトサミンと結合している。
正答: ②遺伝子は第9染色体の長腕に存在する。
ポイント
ABO血液型の遺伝子は第9染色体長腕(9q34)に存在する。A遺伝子とB遺伝子は共優性(対等)で、ともにO遺伝子に対して優性である。抗原は赤血球膜だけでなく、血管内皮や分泌液など全身の細胞・体液にも分布する。A型ではN-アセチルガラクトサミン、B型ではD-ガラクトースがH抗原に付加される。
●ABO遺伝=9q34・A/Bは共優性・Oに対し優性・分泌型はFUT2(Se)による。
●糖転移酵素=A型はN-アセチルガラクトサミン転移酵素、B型はD-ガラクトース転移酵素、O型は無活性。
●H抗原関連=Bombay型(hh、H抗原欠損)。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。抗原は赤血球膜に限らず、血管内皮や分泌液など全身の細胞・体液に発現する。
- ② 正しい。ABO遺伝子は第9染色体長腕(9q34)に存在する。
- ③ 誤り。新生児は抗原量が少なく、抗原発現は成人で完成する。
- ④ 誤り。AとBは共優性(対等)であり、一方が他方に対して潜性ではない。
- ⑤ 誤り。N-アセチルガラクトサミンはA型の糖鎖で、B型にはD-ガラクトースが付加する。
📋 まとめの表を見る:ABO血液型亜型の特徴
後天性Bはグラム陰性桿菌感染によるA抗原の一過性修飾であり、亜型(先天性)とは区別される。
第72回 午前86(臨床免疫学)
間接抗グロブリン試験による不規則抗体スクリーニングのカラム凝集像を別に示す。考えられるのはどれか。
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA086.d7316eca70.jpg

- ①連銭形成
- ②寒冷凝集反応
- ③不規則抗体を保有
- ④フィブリンの析出
- ⑤抗血小板抗体を保有
正答: ③不規則抗体を保有
ポイント
間接抗グロブリン試験はカラム凝集法(ゲルカラム)で行い、被検血漿とスクリーニング赤血球を反応させ抗グロブリン試薬を加える。不規則抗体が存在すると凝集した赤血球がゲル上部に捕捉され陽性となる。図はこの陽性像で、不規則抗体の保有を示す。陰性では赤血球がカラム底に沈降する。
●カラム凝集陽性の原因=不規則抗体・自己抗体・連銭形成(偽陽性)・寒冷凝集素(温度管理不良)。
●不規則抗体の臨床的意義=溶血性輸血副反応・新生児溶血性疾患・交差適合試験不適合。
●関連検査=抗体同定パネル・抗グロブリン試験(直接/間接)。
選択肢ごとの解説
- ① 高蛋白などで赤血球が貨幣状に重なる現象で、真の抗原抗体反応による陽性凝集とは区別する。
- ② 低温で起こる凝集で、間接抗グロブリン試験の37℃での陽性所見とは異なる。
- ③ 正しい。カラム上部に赤血球が捕捉される陽性凝集像で、不規則抗体の保有を示す。
- ④ 凝固由来の析出であり、抗原抗体反応による凝集ではない。
- ⑤ 血小板に対する抗体で、赤血球を用いる本試験では検出されない。
第72回 午前87(臨床免疫学)
ABO血液型検査で正しいのはどれか。
- ①ウラ検査はスライド法で行う。
- ②ウラ検査は37℃で反応させる。
- ③オモテ検査の試薬は2滴滴下する。
- ④ウラ検査は血漿(血清)を2滴滴下する。
- ⑤オモテ検査の試験管法は10%赤血球浮遊液を作製する。
正答: ④ウラ検査は血漿(血清)を2滴滴下する。
ポイント
ABO血液型のウラ検査は、被検者の血漿(血清)中の規則抗体を既知のA1赤血球・B赤血球と反応させて判定する。試験管法で行い、血漿(血清)を2滴滴下し、室温で反応させる。抗体はIgM性で室温〜低温で凝集するため加温はしない。オモテ検査は抗A・抗B試薬を1滴ずつ用い、赤血球浮遊液は2〜5%程度とする。
●オモテ検査=既知の抗A・抗B血清で被検赤血球の抗原を調べる。
●ウラ検査=既知のA1・B赤血球で被検血漿中の規則抗体を調べる。
●オモテ・ウラ不一致の原因=亜型・寒冷凝集素・連銭形成・低/無γ-グロブリン血症・新生児/高齢。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。ウラ検査は試験管法で行い、スライド法ではない。
- ② 誤り。ウラ検査は室温で反応させる(抗体はIgM性)。
- ③ 誤り。オモテ検査の抗A・抗B血清は1滴ずつが基本である。
- ④ 正しい。ウラ検査では被検血漿(血清)を2滴滴下する。
- ⑤ 誤り。オモテ検査の赤血球浮遊液は2〜5%程度で、10%ではない。
第72回 午前88(臨床免疫学)
血液製剤と外観検査項目との関係で誤っているのはどれか。
- ①血小板製剤 — 凝固物
- ②血小板製剤 — 色調
- ③赤血球製剤 — 溶血
- ④新鮮凍結血漿 — スワーリング
- ⑤新鮮凍結血漿 — 融解時の異物
正答: ④新鮮凍結血漿 — スワーリング
ポイント
スワーリング(振盪時に現れる渦巻き様の光沢)は機能的に良好な血小板製剤でみられる品質指標であり、新鮮凍結血漿(FFP)の外観項目ではない。よってFFPとスワーリングの組合せが誤りである。FFPでは融解時の異物・混濁・色調を確認する。
●血小板製剤の外観=スワーリング・凝固物・色調変化・バッグの破損。
●赤血球製剤の外観=溶血(上清の赤色)・色調・凝固物。
●新鮮凍結血漿の外観=融解時の異物・混濁・色調・フィブリン塊。
選択肢ごとの解説
- ① 正しい組合せ。血小板製剤では凝固物の有無を確認する。
- ② 正しい組合せ。血小板製剤では色調変化(細菌汚染など)を確認する。
- ③ 正しい組合せ。赤血球製剤では溶血(上清の赤色)を確認する。
- ④ 誤り。スワーリングは血小板製剤の品質指標で、新鮮凍結血漿の外観項目ではない。
- ⑤ 正しい組合せ。新鮮凍結血漿では融解時の異物・混濁を確認する。
第72回 午前89(臨床免疫学)
抗HLA抗体が関与する疾患または病態はどれか。
- ①輸血後紫斑病〈PTP〉
- ②血小板輸血不応〈PTR〉
- ③自己免疫性溶血性貧血〈AIHA〉
- ④特発性血小板減少性紫斑病〈ITP〉
- ⑤血栓性血小板減少性紫斑病〈TTP〉
正答: ②血小板輸血不応〈PTR〉
ポイント
反復輸血や妊娠によって抗HLA抗体が産生されると、HLA不適合の輸血血小板が破壊され、血小板輸血を行っても増加が得られない血小板輸血不応(PTR)となる。対策としてHLA適合血小板が用いられる。他の選択肢はHLA抗体ではなく各々別の機序による。
●抗HLA抗体が関与=血小板輸血不応(PTR)・TRALI(白血球抗体)・移植拒絶反応。
●抗血小板特異抗原(HPA)抗体=輸血後紫斑病(PTP)・新生児同種免疫性血小板減少症。
●自己抗体=自己免疫性溶血性貧血(AIHA、赤血球)・特発性血小板減少性紫斑病(ITP、血小板)。
●ADAMTS13欠乏=血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)。
選択肢ごとの解説
- ① 抗血小板特異抗原(HPA-1aなど)抗体によるもので、HLA抗体が主体ではない。
- ② 正しい。抗HLA抗体により輸血血小板が破壊され、輸血効果が得られなくなる。
- ③ 赤血球に対する自己抗体によるもので、HLA抗体ではない。
- ④ 自己の血小板抗原に対する抗体によるもので、HLA抗体ではない。
- ⑤ ADAMTS13活性低下によるもので、HLA抗体は関与しない。
第72回 午前90(公衆衛生学)
2022年(令和4年)の国民生活基礎調査で、有訴者率が男女とも第1位だった症状はどれか。
正答: ③腰痛
ポイント
有訴者率は人口千人あたりで自覚症状を訴える人の割合を示し、国民生活基礎調査で把握される。令和4年(2022)の調査では男女とも腰痛が第1位、肩こりが第2位であった。頭痛・頻尿などは上位だが第1位ではない。
●国民生活基礎調査でわかる指標=有訴者率・通院者率・健康意識・世帯構造・所得。
●有訴者率の上位症状=腰痛・肩こり・手足の関節痛・せき・たん。
●人口動態統計でわかる指標=出生・死亡・婚姻・離婚・死産。
選択肢ごとの解説
- ① 訴えは比較的多いが、男女とも第1位ではない。
- ② 高齢者で増えるが、有訴者率の第1位ではない。
- ③ 正しい。令和4年の調査で男女とも第1位の自覚症状である。
- ④ 上位に入るが第1位ではない。
- ⑤ 高齢者で多いが、有訴者率の第1位ではない。
第72回 午前91(公衆衛生学)
食事バランスガイド(厚生労働省・農林水産省決定)における主菜はどれか。
正答: ④焼き魚
ポイント
食事バランスガイドは1日に何をどれだけ食べるとよいかをコマの形で示したもので、主食・副菜・主菜・牛乳乳製品・果物の区分からなる。主菜は肉・魚・卵・大豆製品などの主にたんぱく質源となる料理で、焼き魚が該当する。
●主食=ごはん・パン・麺(炭水化物源)。
●副菜=野菜・きのこ・いも・海藻の料理。
●主菜=肉・魚・卵・大豆製品(たんぱく質源)。
●その他の区分=牛乳・乳製品、果物。
選択肢ごとの解説
- ① 炭水化物源で、主食に分類される。
- ② 牛乳・乳製品の区分に分類される。
- ③ 果物の区分に分類される。
- ④ 正しい。たんぱく質源であり、主菜に分類される。
- ⑤ 副菜の区分に分類される。
第72回 午前92(公衆衛生学)
労災保険〈労働者災害補償保険〉で正しいのはどれか。
- ①保険料は労働者が負担する。
- ②通勤中の負傷は対象外である。
- ③パート職員は給付対象外である。
- ④治療費の自己負担割合は3割である。
- ⑤業務上の事由による障害は対象である。
正答: ⑤業務上の事由による障害は対象である。
ポイント
労働者災害補償保険(労災保険)は、業務上および通勤途上の負傷・疾病・障害・死亡を補償する制度で、業務上の事由による障害も給付対象である。保険料は全額事業主が負担し、療養給付に労働者の自己負担はなく、パート・アルバイトを含め雇用形態を問わず適用される。
●労災保険の特徴=事業主が全額負担・労働者は雇用形態問わず適用・通勤災害も対象・療養に自己負担なし。
●給付の種類=療養給付・休業給付・障害給付・遺族給付・傷病年金・介護給付。
●他の社会保険=医療保険(自己負担3割)・年金保険・雇用保険・介護保険。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。保険料は全額事業主が負担し、労働者の負担はない。
- ② 誤り。通勤途上の負傷(通勤災害)も補償対象である。
- ③ 誤り。パート・アルバイトを含め雇用形態を問わず労働者は対象となる。
- ④ 誤り。労災の療養給付に自己負担はなく、原則無料である。
- ⑤ 正しい。業務上の事由による障害は労災保険の補償対象である。
📋 まとめの表を見る:社会保険制度の比較(医療保険・介護保険・労災保険等)
第72回 午前93(公衆衛生学)
予防接種で不活化ワクチンが使用されているのはどれか。
正答: ④日本脳炎
ポイント
日本脳炎ワクチンは不活化ワクチンである。黄熱・風疹・麻疹・流行性耳下腺炎はいずれも弱毒生ワクチンであり、生ワクチンと不活化ワクチンの区別が問われている。
●生ワクチン=麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘・黄熱・BCG・ロタウイルス。
●不活化ワクチン=日本脳炎・百日咳・インフルエンザ・ポリオ(IPV)・A型/B型肝炎・肺炎球菌・Hib・HPV。
●トキソイド=ジフテリア・破傷風。
選択肢ごとの解説
- ① 弱毒生ワクチンである。
- ② 弱毒生ワクチンである。
- ③ 弱毒生ワクチンである。
- ④ 正しい。不活化ワクチンである。
- ⑤ 弱毒生ワクチンである。
第72回 午前94(公衆衛生学)
国勢調査で分かるのはどれか。
- ①粗死亡率
- ②平均寿命
- ③総再生産率
- ④老年化指数
- ⑤合計特殊出生率
正答: ④老年化指数
ポイント
国勢調査は5年ごとに行われる人口・世帯の全数調査で、人口や年齢構成を把握する。年齢構成から算出される老年化指数(老年人口÷年少人口×100)は国勢調査から得られる。一方、粗死亡率・平均寿命・総再生産率・合計特殊出生率は出生・死亡に基づく指標で、人口動態統計から算出される。
●国勢調査(全数調査)でわかる=人口・年齢/性別構成・世帯・老年化指数・人口密度・産業構成。
●人口動態統計でわかる=粗死亡率・出生率・合計特殊出生率・総再生産率・婚姻・離婚。
●生命表でわかる=平均寿命・平均余命。
選択肢ごとの解説
- ① 死亡数に基づく指標で、人口動態統計による。国勢調査単独では得られない。
- ② 生命表から算出され、人口動態統計(死亡データ)を要する。
- ③ 出生に基づく指標で、人口動態統計による。
- ④ 正しい。年齢別人口(国勢調査)から算出できる指標である。
- ⑤ 出生に基づく指標で、人口動態統計による。
第72回 午前95(医用工学概論)
バイポーラトランジスタで正しいのはどれか。
- ①MOS型が存在する。
- ②端子名にゲートがある。
- ③pn接合面は一つである。
- ④電圧制御型の素子である。
- ⑤動作には自由電子と正孔〈ホール〉の両方が関与する。
正答: ⑤動作には自由電子と正孔〈ホール〉の両方が関与する。
ポイント
バイポーラ(双極)トランジスタは、動作に自由電子と正孔の二種類のキャリアが関与する電流制御型の素子である。pn接合は2つ(エミッタ-ベース間、ベース-コレクタ間)あり、端子はエミッタ・ベース・コレクタである。MOS型やゲート端子、電圧制御は電界効果トランジスタ(FET)の特徴である。
●バイポーラトランジスタ=二種キャリア・電流制御・pn接合2つ・端子はエミッタ/ベース/コレクタ・NPN/PNP型。
●電界効果トランジスタ(FET)=一種キャリア(多数キャリア)・電圧制御・端子はゲート/ソース/ドレイン・MOS型/接合型。
選択肢ごとの解説
- ① 誤り。MOS型は電界効果トランジスタ(FET)の分類で、バイポーラには存在しない。
- ② 誤り。ゲートはFETの端子で、バイポーラの端子はベースである。
- ③ 誤り。pn接合は2つ(エミッタ-ベース、ベース-コレクタ)ある。
- ④ 誤り。バイポーラは電流制御型で、電圧制御型はFETである。
- ⑤ 正しい。双極の名のとおり、自由電子と正孔の両方が動作に関与する。
第72回 午前96(医用工学概論)
臨床検査システム〈LIS〉で扱われる大量の検査データを効率的に取り扱う仕組みはどれか。
- ①ウェブブラウザ
- ②オフィススイート
- ③オペレーティングシステム
- ④データベース管理システム
- ⑤プログラミング言語
正答: ④データベース管理システム
ポイント
臨床検査システム(LIS)で扱う大量の検査データを効率的に蓄積・検索・更新し、整合性を保って管理する基盤がデータベース管理システム(DBMS)である。ウェブブラウザやオフィススイートは閲覧・事務用、オペレーティングシステムは基本ソフト、プログラミング言語は開発手段であり、いずれも大量データ管理の専用基盤ではない。
●データ管理基盤=データベース管理システム(DBMS、リレーショナル型・SQLなど)。
●基本ソフト=オペレーティングシステム。
●応用ソフト=ウェブブラウザ・オフィススイート。
●開発手段=プログラミング言語。
選択肢ごとの解説
- ① 情報を閲覧するための応用ソフトで、データ管理の基盤ではない。
- ② 文書作成や表計算などの事務用ソフト群で、大量データ管理には不向きである。
- ③ コンピュータ全体を制御する基本ソフトで、データ管理専用ではない。
- ④ 正しい。大量データの蓄積・検索・整合性管理を担う基盤である。
- ⑤ ソフトを作るための言語で、それ自体がデータ管理の仕組みではない。
第72回 午前97(医用工学概論)
入力された信号を1000倍にする増幅器がある。この増幅器の利得[dB]はどれか。
正答: ④60
ポイント
電圧利得[dB]は20×log10(出力/入力)で求める。倍率1000倍では20×log10(1000)=20×3=60dBとなる。10倍で20dB、100倍で40dB、10000倍で80dBである。
●電圧・電流利得[dB]=20×log10(倍率)。
●電力利得[dB]=10×log10(倍率)。
●代表値=2倍≒6dB、10倍=20dB、100倍=40dB、1000倍=60dB。
選択肢ごとの解説
- ① 対数の値を取り違えた値である。
- ② 10倍(20×1)に相当する値である。
- ③ 100倍(20×2)に相当する値である。
- ④ 正しい。20×log10(1000)=20×3=60dBである。
- ⑤ 10000倍(20×4)に相当する値である。
第72回 午前98(医用工学概論)
ME機器の耐除細動形CF形装着部を表す図記号はどれか。【図参照】
図: https://medwide.jp/drill/img/k72aA098.d6285491fb.jpg

正答: ⑤
ポイント
装着部はB形・BF形・CF形に分類され、CF形は心臓への直接適用が可能で最も安全度が高く、ハート(心臓)を表す記号で示される。耐除細動形は装着部記号の左右に除細動器の電極板(パドル)を模した記号を付加して表す。よってハート記号の左右にパドル記号を併せ持つ図記号が該当する。
●装着部の分類=B形(人体)・BF形(フローティング)・CF形(心臓直接適用可、四角の枠+ハート記号)。
●耐除細動形=装着部記号の左右にパドル記号を付加(記号を外枠で囲む表示ではない)。
●関連記号=クラスI(保護接地)・クラスII(二重絶縁)・等電位化。漏れ電流の許容値は装着部の分類(B・BF・CF)によって決まる。
選択肢ごとの解説
- ① ①は保護接地の記号で、耐除細動形CF形装着部の記号ではない。
- ② ②の二重四角はクラスⅡ機器を示す。感電保護のクラス分類であり、装着部の記号ではない。
- ③ 心臓マークと耐除細動形の組合せが一致しない図記号である。
- ④ ④の四角枠内の人型はBF形装着部を示す。CF形は人型ではなくハートで表され、耐除細動形ではさらに左右に付加記号を伴う。
- ⑤ 正しい。ハート(CF形)の左右に耐除細動形を示すパドル記号を備えた図記号である。
📋 まとめの表を見る:装着部の分類(B形・BF形・CF形)と図記号
第72回 午前99(医用工学概論)
超音波検査における吸収〈減衰〉係数が最も大きいのはどれか。
正答: ②空気
ポイント
超音波は空気中で著しく減衰し、吸収・反射が大きい。気体は音響インピーダンスが組織と大きく異なるため界面でほぼ全反射し、内部での吸収減衰も大きい。このため検査ではプローブと体表の間にゼリーを塗布して空気層を排除する。水や血液などの液体は減衰が小さい。
●減衰が大きい=空気(気体)・骨。
●減衰が中等度=筋肉・脂肪などの軟部組織。
●減衰が小さい=水・血液・羊水などの液体。
●関連=音響インピーダンス差が大きいほど界面反射が強い。
選択肢ごとの解説
- ① 軟部組織で減衰は中等度である。
- ② 正しい。気体であり減衰が著しく大きい。
- ③ 液体で減衰は小さい。
- ④ 軟部組織で減衰は比較的小さい。
- ⑤ ほとんど減衰せず、減衰係数は非常に小さい。
第72回 午前100(医用工学概論)
商用交流による皮膚表面での最小感知電流とされる電流[mA]はどれか。
正答: ②1
ポイント
商用交流(50/60Hz)を皮膚表面から通電したとき、ヒトが電流を感じ始める最小感知電流は約1mAとされる。これより小さいと通常は感知せず、電流が増すと離脱限界(約10mA)、さらに心室細動誘発(約100mA)へと危険性が高まる。
●最小感知電流=約1mA(50/60Hz)。
●離脱限界電流=約10mA(手が離せなくなる)。
●心室細動誘発電流=約100mA。
●ミクロショック=心臓直接で数十〜100μAで細動の危険(マクロショックより微小)。
選択肢ごとの解説
- ① 通常は感知しないレベルの電流である。
- ② 正しい。一般に最小感知電流とされる値である。
- ③ 離脱限界(手が離せなくなる)付近の電流で、感知開始より大きい。
- ④ 心室細動を起こしうる危険な電流である。
- ⑤ 重度の熱傷や致死的となるレベルの電流である。